毎日新聞 今週の本棚 フォトジャーナリズム

毎日新聞2019年10月27日 東京朝刊

フォトジャーナリズム 林典子・選

① ルワンダ ジェノサイドから生まれて
(ジョナサン・トーゴヴニク著、竹内万里子訳/赤々舎/3630円)

ルワンダ ジェノサイドから生まれて

ルワンダ ジェノサイドから生まれて

 

② 愛は戦渦を駆け抜けて 報道カメラマンとして、女として、母として
(リンジー・アダリオ著、堀川志野舞訳/角川書店/2090円)

愛は戦渦を駆け抜けて 報道カメラマンとして、女として、母として

愛は戦渦を駆け抜けて 報道カメラマンとして、女として、母として

 

③ MINAMATA 1971-2012 私とユージン・スミス水俣
石川武志著/千倉書房/4950円)

MINAMATA NOTE 1971-2012  私とユージン・スミスと水俣

MINAMATA NOTE 1971-2012 私とユージン・スミスと水俣

 

10月27日読書週間始まる

BRUTUS特別編集 合本 危険な読書

 昨日(10/27)、神田古本まつりのことを書きましたが、同日の毎日新聞2019年10月27日 東京朝刊の社説「今日から読書週間 道を照らす本との出合い」で、今日から11月9日までの2週間が「読書週間」であることを知りました。
 果たして読書週間であることを知っていた人はどれだけいたのでしょう。忘れてしまった人がほとんどではないでしょうか。(私も含めて) 本のこれからを考えると、心細くなるばかりです。
 もう本の意味とか価値は無くなってしまったのでしょうか。通常の本が電子書籍になり、本のあの手触りを好む人はどんどん少なくなっていくのでしょうか。いままで本に慣れ親しんだ人たちは一体どこへ言ってしまったのでしょう。
 同紙社説は言います。道を照らす本との良い出合い楽しみにしていたい。そしてしおりを取り上げて次のように書いています。

 しおりは、山道で枝を折って道しるべ「枝折(しお)る」が由来という。本もまた、人生に迷ったときの道しるべになってくれる。 

 ふせんもしおりを活用して、自分の本をじっくり選び、自分のペースでしっかり読みたいと思います。片手には買った本を持って、喫茶店に立ち寄り、コーヒーを飲みながら、ぱらぱらとページをめくり、至福の時を過ごしたいと思います。
 最近はそんなゆったりした時間をもつことが少なくなりました。誰に遠慮することなく、もっと自分のペースで好き勝手に本を読んでもいいと思いますが、どうでしょう。読書の秋、自由に本を読むことから始めたい、と思います。

東京名物神田古本まつり

 10月27日神田古本まつりに行ってきました。古本まつりも今回で60回になるそうです。開催期間は10月25日~11月4日まで。まだ始まったばかりです。お立ち寄り下さい。
 今日は天気も良く、散歩日和でしたので、多くの方が来ていました。古本市というより神田界隈のお祭りといった印象が強い気がしました。
 例えば、私の好きな晶文社の本は半額でした。それを目当てに多くの人が並んでいました。晶文社以外にも、多くの出版社が出店していました。
 古本の時代ではないと言っても、こうしたイベントで、これだけの人が来るのですから、まだ本好きがいるのでしょうか。最後の本好きはやはり中高年の方になるのでしょうか。
 4~5の古本屋さんに立ち寄りましたが、古本屋の担当者も中高年の代わりに若い人が多く、古本業界も世代交代が進んでいるのを実感しました。
 古本まつりも変わり、店主も替わり、お客様も変わっています。アナログからデジタルへの流れは変えようもありません。これからはこうした本のイベントはどうなるのでしょうか。
 あるおじさんはアマゾンで本が注文できる時代に敢えて神田に来る人はいないだろうと言っていました。確かにと頷かざるを得ませんでした。それがいまの古本業界の厳しい現状です。

100円ショップの「ふせん」を活用!

読書効果を高めたければ100円ショップの「ふせん」を買いなさい https://t.co/8zRNCFBL68

 100円ショップの「ふせん」で、読書のコスパが高まれば、それに越したことはありません。道具はその使い方しだいで、効率をアップすることもできますし、ダウンすることもできます。いくらいい道具であっても、使い方を間違えると、役に立たなくなってしまいます。

 そのためには何をしたらいいのか。まずは道具の基本を学び、それを実際に試行し、錯誤を繰り返す。それによって道具の応用力が身につきます。たかが100円の「ふせん」ですが、使い方によっては価格以上の価値を生むものです。

ラグビーW杯 イングランドが決勝進出!

「週刊読書人」編集長のおすすめ本

週刊読書人」の編集長 明石健五さんが今を生き延びるための読書について書いています。参考になったので、おすすめ本をメモしました。

年間8万点を超える新刊書籍の中から、私たちは、どのような本を選び、講読していけばいいのか。本を読むことは、自ら「思考」する力を鍛える行為でもある。そして思考することによって初めて、「表現力」が培われる。先の見えない時代の今だからこそ、紐解くべき5冊。選者:明石健五(あかし・けんご「週刊読書人」編集長)
https://honto.jp/booktree/detail_00005037.html

 ■柄谷行人書評集
柄谷行人(著)
朝日新聞に12年間にわたって寄稿してきた書評107本を全収録。さらに1960年代から2000年代にかけて執筆された書評、作家論、文庫・全集解説を51本収録(すべて著者単行本未収録)。日本を代表する哲学者・批評家は何を読み、いかに思考してきたか。半世紀におよぶ読書の軌跡。

柄谷行人書評集

柄谷行人書評集

 

坂口安吾
柄谷行人(著)
天皇制も憲法も、古代政治や歴史も、「すべては坂口安吾から学んだ」と語る柄谷氏。『書評集』と同時期に刊行された、著者久々の文芸批評論集。真の意味での「無頼」とは何か。太宰治は「無頼派」ではない。坂口安吾こそ「無頼」である。憲法九条や天皇制の問題を考える上でも、大いなるヒントに満ちた書。

坂口安吾論

坂口安吾論

 

■正しい本の読み方
橋爪大三郎
社会は謎に満ちている。その謎を解くために本がある。しかし決して結論を出すことが目的ではない。本を読み、考えることが目的なのである。学ぶつもりで読むのではなく、考えるつもりで本を読むこと。本はあくまでも素材であり、そこからどれだけ最大限自分の思考を進めていけるか。その重要さを教えてくれる一冊。

正しい本の読み方 (講談社現代新書)

正しい本の読み方 (講談社現代新書)

 

 ■大人のための国語ゼミ
野矢 茂樹(著)
人とコミュニケーションをとるためには、何が必要か。相手のことを考え、理解するところからはじめなければならない。そこから自分の考えを的確に説明したり、時には相手に反論したりすることによって、相互理解が深まっていく。その時に基礎となるのは「言葉」である。言葉の重み・強さを養い、学び直したい人のために。

増補版 大人のための国語ゼミ (単行本)

増補版 大人のための国語ゼミ (単行本)

 

■東大から刑務所へ
堀江貴文・井川意高
3年2ヵ月(井川)と、1年9ヵ月(堀江)の服役経験を持つふたりは、獄中で、日々読書に勤しんだ。井川氏は、宗教や近代哲学に関する書物を読み漁り、大学教養課程で学ぶ勉強を、もう一度やり直すことができたという。人生をやり直すために、本が必要不可欠だった。これこそ「生きのびるための読書」といっていいだろう。

東大から刑務所へ (幻冬舎新書)

東大から刑務所へ (幻冬舎新書)

 

次世代コンピューター(量子コンピューター)

 米グーグルが現在のスパコンでは困難な問題を簡単に解ける量子コンピューター(スーパーコンピューターの15億倍もの性能をもつ次世代コンピューター)の開発に目途が立ったようです。
 このコンピュータは産業や金融から軍事までを一変させる可能性を秘めているとも言われ、世界中から注目されています。
 実用化にはまだ20~30年かかりますが、人工知能(AI)と組み合わせることにより、その影響は世界に波及し、開発に向けた攻防は国家の覇権を左右します。
 これはまたデジタル社会が新たなステップを意味します。果たしてどんな社会なるのでしょう。そのとき、本はすべて電子書籍になっているのでしょうか。

第60回 東京名物神田古本まつり

第60回 東京名物神田古本まつり
2019年10月25日(金)~11月4日(月・祝)

秋、第60回を迎える神田古本まつりは、神田古書店連盟による最大の年中行事です。 書物に関する様々なイヘントを通じて、多くの読書人の方々から支持され、最近では東京名物として定着し、日本全国はもとより、海外からも多くの方々が訪れるようになりました。

さて、今年は台風の影響で、どうなるのか。天候不順のため、自然災害が予想以上に拡大しています。本好きにとっては、古本業界の最大のイベント!なので、一日でも二日でも、晴れの日が続くことを願っています。しかし、外は雨、雨音が激しくなるばかりです。