荻原魚雷さんの「文壇高円寺」より

荻原魚雷さんの「文壇高円寺」は日々必読しています。最近の記事では2020/03/09「日常」がよかったので、その箇所を転載しました。

 日曜日、雨。昼三時半起床。夕方四時すぎ、二日目の西部古書会館。・・・・・(略)・・・・・
 福原麟太郎の『人生十二の智慧』(新潮社一時間文庫)も買う。ビニカバがきれいに残っていた。二十代のころに買った記憶があるが、今は行方不明(たぶん売ってしまった)。「失敗について」がすごくいい。

《人生が失敗であつたとか、成功であつたとかいうことに、どんな意味があるのかとも言つてみたい。死んでしまえば萬事終りで、人は一生を、何とかして過ごして来たというだけのことなのだ。誰も大した生きかたはしていない》