開高健『開口閉口』

 久々に棚の整理をしていたら、開高健さんの『開口閉口』(新潮文庫)を見つけました。何となく読み始めると、止まらず、そのまま読み続けてしまいました。
 何と、この文庫、昭和五十四年(1979年)十二月二十五日出版されていました。いまから40年以上も前のものです。文庫としてはまさにボロボロ状態です。
 当時は「サンデー毎日」に掲載されていた珠玉の64編です。どのエッセイを読んでも、これは開高さんの世界が目前に広がります。まさに、らしい!文章です。
「読書の楽しみを語り、現代の風俗を諷刺し、食味の真髄を探り、釣りの蘊蓄を傾け、世界の美酒・珍酒を紹介し、人生の深奥を観照する」といった内容で、あちこちで、開高節が破裂、炸裂、爆発しています。

釣りは運、勘、根である。
つまり、人生だな。

 これぞ、開高健! まさに、開口閉口! 開高健さん、誰といわれるかもしれません ・・・・・ 。もうそんな時代になってしまいました ・・・・・ 。

くるものはいつかくる。
やっぱり。

開口閉口 (新潮文庫)

開口閉口 (新潮文庫)

  • 作者:開高 健
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1979/12/27
  • メディア: 文庫
 ※カバーデザインは田淵裕一さんが担当しています。