一箱古本市で売れなかった本

5月3日(火)の不忍ブックストリート一箱古本市で売れなかった本のなかから、紹介したい2冊。

古本市では不思議なくらいちくま文庫は売れます。やはり、ちくま好みの読者がいるのが強みでしょうか。今回この本、鶴見さんの著書だけに売れると踏んでいましたが、残念という結果に。

これは、中浜万次郎田中正造、横田英子、金子ふみ子、林尹夫の5人の日本人の感じ方、考え方、生き方を紹介しています。この5人を通して、いまの日本が、いまの自分を、考えてみたいと思います。

<私はこの本の中で自分の誕生の記録が残っている五人の人について書いてみたい。この五人の誕生の記録をたどってゆくと、そこに日本の姿が現れてくる。そのように、この人たちは、日本の社会の歴史と深く結びついていた>。(p9)

この本も、いい本なので、いけると思ったのですが ・・・ 。何事もそう上手くいくわけではありません。古本市では、新書は売れないという定説通りか。お客様の反応を見ていても、どうも新書への関心が鈍い。

それでもこの新書は読んでほしい。マンネリはいい面より悪い面が強調されますが、"いいマンネリ"もあるのです。それが何かを教えてくれます。またそれがライフスタイルを考えるヒントにもなります。

ひとが生まれる―五人の日本人の肖像 (ちくま文庫)        マンネリズムのすすめ (平凡社新書 (010))