読書は自己本位でよい
本の整理などしていると、ふいに手に取った本を読み出すことがあります。そして、読み始めたら止まらずに、そのまま読み耽ることになります。そんな本がこれ。森銑三さんの『月夜車』(彌生書房)。
この本の中の、4ページの随筆、「読書三昧」を読みました。書かれたのは昭和16年5月で、内容は読書についてです。それを読んで、何年経っても、読書の本質は変わらない、と思いました。
<私等の読書はもっと自由でありたい。眼光を紙背まで徹しせしめようといふのもひとつの態度なら、甚解を求めぬのもまたひとつの態度である。精読すべきものは精読もする。粗読してもよいものは粗読で済ます。要するに読書は自己本位でよいのではないかと思ふ>。p247