日記のなかの日記

ブログでも取り上げた原武史さんの『潮目の予兆』(みすず書房)を読んでいます。しかし、今だ読了に至らず、あと半分が残っています。しかし、本を読んでいると、予想外のことを知り、唖然、呆然、愕然としたりします。

例えば、次の日記を読むと、いま原さんの日記を読んでいるにもかかわらず、徳富蘆花の日記を読んでみたくなります。本の森への迷い道。そこには危険な気配を感じます。迷い込むのも、読書の楽しみのひとつなのですが。

五月六日(月)
 横浜市立中央図書館に行き、徳冨蘆花の日記を読む。この日記の多くを占めるのは、セックスと女性の下半身に関する記述である。男女の生殖器のイラストまで掲載されている。 よくここまで飽きもせずに書けるものだと感心する。しかしそうした文章の合間に、時折あっと驚く皇室情報がさりげなく挿入されている。下ネタのオン・パレードは、 この重大機密を隠蔽するための方便なのではないかと勘ぐりたくなる。p17 (これは2013年5月6日の日記)