鶴見俊輔さんの「智慧の光」

かつて読んだ著者がひとり、またひとりと、亡くなっていくのはさびしいものがあります。それは仕方のないことなのですが、何ともやるせなく、何ともいたたまれなく・・・ そんな思いになります。

年齢を考えると、これからそうしたことが多くなります。鶴見さんも93歳でした。戦前から年代から現在に至るまで、昭和から平成へと激動の時代を生きてきました。われわれはその言動を通して多くのことを学びました。

鶴見さんは一体何を残してくれたのでしょう。もう一度振り返りたくなりました。鶴見さんの足跡を追うことは個人史と同時代史を振り返ることになります。ここしばらくは鶴見さんの本を読みたいと思います。

これからの時代は光か闇か。先行きが不透明のなか、燈明=闇(無明)を照らす智慧の光がまたひとつ消えました。しかし、この光は不滅です。必ず引き継がれます。そう信じたいと思います。