堀江敏幸『もののはずみ 』

堀江敏幸さんの 『もののはずみ 』が6/5小学館文庫から出版されました。この文庫はかつて角川文庫で出ていたもので、今回はなぜか小学館文庫から出版されました。

アマゾンによる内容紹介では、<フランスで出会った「もの」たちの物語>で、次の箇所が引用されていました。

<捨てられはしたけれど破壊はまぬかれた、近い過去の生活用品には、独特の表情がある。元の所有者たちの生活の匂いが、設計者や製造者の顔が透けて見える。それらが引きずっている人々の過去に、感情に、もっと言うなら、「もの」じたいが持っている心、すなわち「物心」に私は想いをはせる。>(本文より)

これを読んでいると、開高健さんの『生物としての静物』(集英社文庫)を思い出しました。これも著者が日常的に愛用しているものを取り上げて、そのものへのこだわりについて語っています。

もののはずみ (小学館文庫)         生物としての静物 (集英社文庫)