「心をほどいて、ただ街を歩く」

この土日、長田弘さんの本を読もうと思い、『私の二十世紀図書館』(中公新書)と『なつかしい時間』(岩波新書)の2冊を手に取りました。次は後者に掲載の「街を歩こう」からの引用です。

<いい季節になると、心が外に向かいます。遠くにでかけて行楽をもとめるのは、ふだんはなかなかできない楽しみですが、こうした季節にこそ楽しみたいのは、街歩きです。目的を持たない。急がない。心をほどいて、ただ街を歩く。そのような街歩きの楽しみは、じつは、ふだんにはもっとも得られない楽しみの一つです>。

ちょうどこの季節がまさにそう。心が外に向かい、街歩きをしたくなります。そんな時期に「心をほどいて、ただ街を歩く」。歩く前に、心をしめるのではなく、心をほどくこと。そんな柔らかな気持ちで、街歩きをしたいと思いました。

なつかしい時間 (岩波新書)