西牟田靖『本で床は抜けるのか』の紹介より

朝日新聞の書評欄に西牟田靖さんの『本で床は抜けるのか』(本の雑誌社)の「著者に会いたい」が掲載されていました。ブログでも触れていたので、早速その紹介を読みました。

この本は、「増える蔵書と格闘する人々」を取り上げ、その実態を一冊の本にまとめたものです。その中で、気になった箇所をメモしました。

例えば、蔵書の電子化について。

<印象的なのは、蔵書を電子化で減らした人たちの思いだ。評論家の武田徹さんは都心への転居を機に多くを電子化したが、後悔しているという。本を日常的に目にしていれば記憶が刺激され、新たな検索もできるし、「出会う偶然」を味方にできたが、本の存在感がなくなると難しいと語る。一方、作家の大野更紗さんは積極的に電子化を進め、1K約10畳の居室ですっきり暮らしている>。

そして西牟田さんのことばを引用しています。

「大野さんは迷いがないようで、その整理術は、”師匠”と呼びたくなるほどでした。武田さんは50代、大野さんは30代、電子化への思いは世代の違いもあるかもしれません」

( 世代の違い ・・・ )

自分はというと、年齢的には武田さんのほうがちかいので、武田さんの「実験」が参考になります。確かに「本の存在感」は大事です。が、それを重要視していると、蔵書の整理になりません。また、元の木阿弥です。

( では、どうする? )

やはり、電子化も視野に入ってきます。大野さんのように、きっぱり、さっぱり、すっきりと、蔵書を電子化できればいいのですが ・・・ 。この点、大野さんから蔵書の電子化についてご教示願いたいところです。

しかし、この蔵書の問題は何度も繰り返し語られていますが、共通の最適解は見つかりません。それぞれがいろいろな人の「実験」を参考に、自らの最適解を見つけるしかないようです。