デザインの使命は「問い」を生み出すこと

デザインの使命は「問い」を生み出すこと:Superflux *1 の「スペキュラティヴ・デザイン」とは ・・・ 。

<多くの人が、デザインとは課題を解決するものだと理解している。もしくは、美学的な問題を解決する手段として考えている人も少なくない。しかし、デザイナーは人口増加や水不足、地球温暖化など、世界の諸問題を解決する人ではない。むしろ、世の中の価値や信念、態度を疑って、さまざまな代替の可能性を提示する役割を担っているのだ>

<デザインの世界は、基本的にはリニアな世界なのです。組織としてデザイン理念を掲げていたり、クライアント企業のヴィジョンを定義するのを助けたりする役割を担っているからです。そうした世界の中で活動するデザインスタジオとして、Superfluxは常に扱う対象を疑い、自らのポジションにも疑問に抱き続けることを忘れないよう努めています>

<『デザインとは問題を解決するだけでなく、問題を生み出すことにも価値を置くべきだ』。これは建築デザイナー、レべウス・ウッズが遺した言葉です。Superfluxはデザインによって問いを立てて、オルタナティヴな声を生み出します。スペキュラティヴ・デザインによって、未来のシナリオをつくり、ストーリーを描き、新たな体験を探求しています。テクノロジーによって人は、社会は、環境は、どう変わっていくのか。複雑性を受け入れ、既存のナラティヴを疑い、オルタナティヴを検討し、新しい視座を世の中に示すのです>

Speculative Everything: Design, Fiction, and Social Dreaming


*1:テクノロジーの限界に挑み、それらが社会と文化にもたらす意味を模索する、創意と批判精神に富んだ作品を生み出していることで知られるデザインスタジオ。ロンドンのオフィスを訪ねて、創業者のアナブ・ジェイン(写真左)と、リード・クリエイティヴ・テクノロジストのジョン・アルダン(写真右)に話を訊いた。