かつて「ノーサイド」という雑誌がありました

いつになく掘り出し物を見つけると、それだけで気分が良くなります。本好きの心理とは単純なもので、そんな自己満足を得るために、暇を見つけては古本屋めぐりをしています。

昨日も、何気なく手に取った雑誌が1995年発行の「ノーサイド」5月号(文藝春秋)でした。その雑誌の特集が「読書名人伝」。そして坪内祐三さんが司会、山口昌男さんと池内紀さんが「散歩と釣りと雑本が読書名人への王道だ」というテーマで対談をしています。

その対談で始めに取り上げたのが、岩本素白であり、柴田宵曲であり、三田村鳶魚なのです。こういう方々を取り上げること自体、対談の内容は推して知るべしです。まして、坪内さんも司会となれば、なおさらです。

この対談が終わると、次は読書名人の紹介に入ります。まずは幸田露伴吉田茂宮武外骨森銑三奥野信太郎福原麟太郎植草甚一 ・・・ と並ぶと、どうでしょう。この特集の仕掛け人は坪内さんでしょうか。

雑誌もこれくらいの内容だと読み応えがあります。まず手にとってみようと思います。すべてそこから始まるのですが、いまの雑誌にそこまでの”引き”があるかどうか。時代は雑誌の時代からネットの時代へ先行しています。