今福龍太 『書物変身譚』(新潮社)

昨年末図書館に予約した本を読んでいます。その本は今福龍太さんの『書物変身譚』(新潮社)。読み進むごとに、付箋の枚数が増えていきます。再読の付箋がいつもより多いのは内容が難解、いや理解が不足しているからでしょう。

今福さんの本は広く深いので、ゆっくり、じっくり読むべきです。一読ですべてを理解するのはむずかしいので、自分なりに理解するためにはしっかり歩くように読まねばなりません。

この本は本の読み方=歩行の仕方を教えてくれます。ともに似た行為で、歩行は散歩でも構いません 。本を読む場合も、山あり、谷あり、川あり・・・。そこをGoogle マップではなく、自分のアンテナで歩くのです。

途中、いろいろな言葉に、人間(ひと)に、風景に出会います。その出会いになるほどと共感し、納得すれば、それだけで満足!です。日常の生活のなかで、窓を開けると、爽やかな風が吹き込むような、そんな読書がしたいと思います。

しかし、<書物とは、書かれえないなにかをはらんだ実体である。書物になることによって、その書かれえない「影」の存在を教える媒体である>という「書物」に出会うことが少なくなりました。

書物変身譚         山口昌男コレクション (ちくま学芸文庫)