ファーブルの昆虫への思い

10/12日経新聞のコラム「芸術と科学のあいだ」(35)福岡伸一さんは次の箇所を引用しています。これを読むと、ファーブルの昆虫への思いがはっきりわかります。これがファーブルの原点です。

<あなたは虫の腹を裂いておられる。だがわたしは生きた虫を研究しているのです。あなた方は虫を残酷な目にあわせ、嫌な、哀れむべきものにしておられる。私は虫を愛すべきものにしてやるのです。あなた方は研究室で虫を拷問にかけ、細切れにしておられるが、私は青空の下で、セミの歌を聴きながら観察しています。あなた方は薬品を使って細胞や原形質を調べておられるが、私は本能の、もっとも高度な現われ方を研究しています。あなた方は死を詮索しておられるが、私は生を探っているのです>(『ファーブル昆虫記』奥本大三郎

完訳 ファーブル昆虫記 第1巻 上