平松洋子さんの読書

月末の本の整理をしながら、手に取ったのが平松洋子さんの『野蛮な読書』。付箋が立ち並んでいるなかから、とりわけ気になった箇所を転載します。誰でしたか、平松さんの書評はおすすめの料理のように美味しいと言ったのは?

野蛮な読書         本の花



< 人間にとって芸術もスポーツも、おなじ美の世界に属する快楽。だからこそ音楽も小説も絵画も演劇も映画も、競馬もあらゆるスポーツも、同質の言葉で語らなければ意味をなさない。− それが虫明亜呂無にとってのエロティシズムであり、哲学だ。だからこそ研磨した言葉を、美の世界への忠実と奉仕のために惜しみなく使い尽くしたのである>。(204)

平松さんが虫明亜呂無さんの「哲学」(エロティシズム)についてこう書いています。虫明さんとはまさにそういう人であったと共感するのですが、そこからさらに「本は本を連れてくる」。川端康成さんから古賀春江さんへの点が線に。

こうした展開は人知及ばぬところです。そしてまた新しい未知の繋がりへと誘います。ここで、まず虫明さんの著書を検索しメモしました。おそらく、来週以降虫明さんについての記事を書いていることでしょう。

女の足指と電話機―回想の女優たち         仮面の女と愛の輪廻



時さえ忘れて (ちくま文庫)      肉体への憎しみ (ちくま文庫)      野を駈ける光 (ちくま文庫)