上等なエッセイは興味の触媒なのだ

嵐山光三郎さんが丸谷才一『夜中の乾杯』(文春文庫)の解説を書いています。

冒頭、<丸谷才一さんはぼくの先生だった>と書き、一瞬びっくり。その解説を読み進むと、なんと、このことば。

<丸谷さんのエッセイの愉しさは、一生読み、「うむ、なるほど」と感心してから「いや、ぼくもその件に関しては言いたいことがある」と、自分の中に眠っていた発想を喚起されるところにある。上等なエッセイは興味の触媒なのだ>。 (262-263)

とりわけ「上等なエッセイは興味の触媒なのだ」はいい一文です。