「本の引力」って、何?

本の見せ方として、背表紙を見せるというやり方があります。例えば、ブログ「往来座地下」の「文庫がいろいろ入荷しており〼」を見ると、本棚を見ているようで愉しくなります。

本の見せ方には表紙を見せる見せ方、背表紙を見せる見せ方があります。見せ方でその人の意図を想像したり、本の並び方で本と本のつながりを推測したりします。

例えば先程の「文庫がいろいろ入荷しており〼」を見ていると、本の書名だけで既読・未読がわかる本もあれば、こんな本があったのかと意外な本を見つけることもあります。

今回気になったのはシモーヌ・ヴェイユの『根をもつこと(上)(下)』(岩波文庫)です。

根をもつこと(上) (岩波文庫)         根をもつこと(下) (岩波文庫)



おそらくどこかで見たことがある、聞いたことがある、書店で手に取ったことがある一冊だったのでしょう。いつどこでを忘れても、その「本の引力」が記憶に残っているのです。

その引力こそが読書の不思議な力です。この力に導かれて、過去の人、現在の人、未来の人と会話をすることができます。また、日本の人だけでなく、世界の人とも交流することができます。

この不思議な力!「本の引力」って、一体何なのでしょう。