ダブル佐藤対談 佐藤可士和 vs 佐藤オオキ

世界的デザイナー 佐藤可士和さんと佐藤オオキさんの対談「ブランド、形で見せる デザインが世界企業の力に」を読みました。二人とも、今を時めくデザイナーで、独自のデザイン論を展開しています。立場は違えども、もっともっと創造力を! めざすところは同じだと思います。

佐藤可士和さんは言います。

<可士和氏「『いい物を作ればいずれ伝わる』という発想は変えないと。伝わっていないのは存在しないのと同じです。シェアを持っていてもただの『供給者』で終わってはいけない・・・・・」>

佐藤可士和さんの言うように、デザイン力は伝わってこそ、効力を発揮します。伝える伝わるための戦略・戦術を弄し、メッセージが相手に届くか届かないか。ただただシェアの問題ではないことは指摘の通りです。いいデザインは簡単にシェアを変えることができます。

また。

<可士和氏「五輪を通して日本の素晴らしさを伝えたい。次はない、と言えるほど絶好の機会。チームをまとめるプロデューサー的な役割の人を決め、コンセプトを固めて動くべきですね」>

いま日本が東京五輪に向けて動き出しています。政治・経済・社会・文化の各分野すべての人が2020年に向いているような気がします。どの分野でも、確かに目標=ゴールが必要です。その意味でも、2020年東京五輪がひとつのゴールであり、日本の良さを世界に伝える絶好の機会です。それを活用しない手はありません。

しかし気になるのはその後の日本。併行してその後の日本への道筋も考えておかないと、オリンピック・バブルということにもなりかねません。この点は、すでに体験済みのはず。同じ繰り返しをせぬよう、心して臨まねばなりません。日本にとって、2020年は大きな分岐点になるような気がします。

ペンブックス11 1冊まるごと佐藤可士和。[2000-2010] (Pen BOOKS)        Pen (ペン) 2013年 11/1号 [完全保存版 nendo]