油井正一著『ジャズ昭和史』を読む人へ

油井正一著『ジャズ昭和史』(出版社:DU BOOKS/ 価格:¥3,990/ 発売時期: 2013年08月) がアサヒ・ブック・コムで紹介されていました。題して「幻のジャズ連載、本に ジャズと昭和の歩み」[文]西正之  [掲載]2013年10月22日。

<日本のジャズ評論の草分けだった故・油井正一さん(1918〜98)が月刊誌に語り下ろした連載が、『ジャズ昭和史』として四半世紀近くを経て刊行された>。

この紹介を読んで、即思い出したのがマイク・モラスキー著『戦後日本のジャズ文化―映画・文学・アングラ 』(青土社)でした。由井さんの本は昭和史ですが、マイク・モラスキーさんは戦後史です。その内容は下記「内容紹介」をご覧下さい。
この本はまさに<本書は、ジャズをとおしてみた、斬新な戦後日本文化論>でした。日本人がなぜこうした前後日本文化論を書けなかったのか・・・・・ストレートでダイナミックな分析とその時代の形勢と迫力を感じ・・・・・読後の印象はかなり衝撃的なものでした。

この由井さんの『ジャズ昭和史』も読みたいと思うのですが、この一冊もぜひ一読ください。

●『戦後日本のジャズ文化―映画・文学・アングラ 』
マイク モラスキー 著 青土社 (2005/07)
第28回(2006年) サントリー学芸賞・社会・風俗部門受賞

内容紹介

本書は、ジャズをとおしてみた、斬新な戦後日本文化論である。黒澤明裕次郎、そして若松孝二足立正生からアニメまで。五木寛之倉橋由美子中上健次平岡正明筒井康隆村上春樹、そして日本独自の文化形態であるジャズ喫茶から相倉久人平岡正明のジャズ革命論まで。ジャズはいかに受容され、いかに多くの表現者たちの源泉となってきたか--。外来の、異文化ゆえの刺激・魅惑、イデオロギーの拠り所、行動(抵抗)の起爆剤、消費文化の誘導路として。あるいはモダンで新しい価値観、ライフスタイル、娯楽と熱狂、民主主義の理想、個人主義帰属意識、革命、人種意識、ジェンダー観、ノスタルジーなど。ジャズによってもたらされたものが、日本においてどのように独自に発展しあるいはどのように普遍的であったのか。敗戦、占領、安保などの歴史体験に目を配りながら、ジャズに影響を受けた主要な作品、風俗、言説を検討し、最新のジャズ研究を踏まえて、多様な文化表現を読みといていく。日米のジャズ、文学に通暁するこの著者にしか書けなかった、出色のジャズ文化論書き下ろし。戦後カルチャー論の空隙を突く野心作。


ジャズ昭和史 時代と音楽の文化史        戦後日本のジャズ文化―映画・文学・アングラ