山田太一「よその歌 わたしの唄 」を見て

山田太一ドラマスペシャル「よその歌 わたしの唄 」( フジテレビ)を久しぶりに見ました。いつも何かを素材に、今という時代を考えます。今回は一人カラオケを通して、人間と時代を描いています。

ドラマは渡瀬さんといしださんの夫婦を中心に展開していきます。それぞれの事情を抱えながら、老若男女、いろいろな人が関わってきます。柄本さんの奥さんの死を契機に、その関係が進展していきます。そして最終的に、上手くいっていない夫婦の関係が元に戻るというストーリーです。

このドラマを見て思ったこと。

ひとつは大人になればなるほど、いや年をとればとるほどに頑固になります。もっと素直であればいい。素直じゃないから困るということ。また、個々の事情とともに生きていくこと。それが動かしがたいことだからこそ、大事なのだと思いました。

とりわけ柄本さんのワキとしてのうまさが際立っていました。また後半いしださんが渡瀬さんに本気で怒るシーンは圧巻でした。しかし、いしださんが年を重ねてしまったこと。それが何とも悲しい。