辺見庸は現代の「無頼派」である!

<敗戦直後、坂口安吾太宰治は「無頼派」と呼ばれた。「無頼」とは、どんな権威にも頼らず、あらゆる集団的思考に抗って己の人生を貫くその生き方のことである。辺見庸東日本大震災以来、偽善と欺瞞を憎み、最も気骨ある発言をつづけてきた。いわば現代の「無頼派」である>。(日経新聞7/14朝刊「読書欄より)

これはズバリ! 辺見さんを言い当てている文章と言っていいでしょう。そして、ここまでストレートに言う人もいなかったのではないでしょうか。評者は文芸評論家井口時男さん。

もともとlこれは辺見さんの新刊『青い花』(角川書店)の書評の冒頭文として書かれました。以下、その新刊の紹介について書かれています。それに触れず不謹慎ですが、私はこの辺見評だけで十分納得しています。

確かに、辺見さんが「無頼派」でありつづけるために支払った代償は厳しく、辛く、大きかったと思います。しかし、その道を自ら選び、自ら歩き、さらにまた歩き続けています。

その結果、辺見さんのエッセイが、評論が、小説が一里塚のように残っています。それはいま生きる人たちのためだけでなく、これから来る人たちのための道標になることでしょう。

辺見さんはこれからも「無頼派」として書ける限り書き続けてもらいたいと思います。

青い花