虫明亜呂無「朽ちぬ冠 長距離走者円谷幸吉の短い生涯」

なぜ毎日こんなに多くのツイートが載るのでしょう。なぜ毎日こんなに多くの本の紹介されるのでしょう。なぜ毎日こんなにいろいろな出来事があるのでしょう。なぜ毎日こんなに・・・・・。そしていつの間にか、時が過ぎゆき、人が過ぎゆく。

今日図書館に頼んでおいた虫明亜呂無さんの『女の足指と電話機−回想の女優たち』が届いたメールがありました。いま読んでいるのも、虫明さんの『仮面の女と愛の輪廻』(ともに清流出版)。先週から虫明さんを読み直しています。

虫明さんの『仮面の女と愛の輪廻』のなかで、例えば「朽ちぬ冠 長距離走円谷幸吉の短い生涯」を読むと、東京オリンピックの最後のシーンが蘇ってきます。また、いつも引き合いに出される両親への手紙は何度読んでも心に染みます。

あんな時もあった、こんな事もあった、あの人もいた、この人もいた、当たり前の毎日がいつまで続くかわかりません。続く? 続かない? ずっと続いてほしと思いつつ、日々過ごしています。

突然、続かなくなる! そういうこともあります。どうにかなる? どうにかならない! であれば、自らがその時点で判断するしかありません。そしてそれを運命として受け入れなければなりません。

それもできなくなったら、あとは運を天に任すしかありません。どうであれ、それは天の思し召し。そう考えて、まさに天命に従うことです。最後の悪あがきもせず、静かに時とともに消え去ります。

このエッセイを取りあげるまでもなく、虫明亜呂無さんはやはり素晴らしい書き手だったと思います。

仮面の女と愛の輪廻        女の足指と電話機―回想の女優たち