「集合本棚」という発想

今日の朝日の朝刊より。文化欄(16)の<蔵書持ち寄り「集合本棚」>という記事が掲載されていました。

本好きにとっては増え続ける蔵書をどうするかが最大の課題です。その対処としての「集合本棚」という発想について、成毛眞さんと幅允孝さんの活動を取りあげていました。

成毛さんはHONZを主宰し、ノンフィクション専門の書評家でもあります。その成毛さんが東京・神保町に「集合本棚ライブラリー」を作れないかを検討中。いろいろな形での本との出会いの場を企画しようとしています。

また、幅さんは3人の仲間と「BACH」を設立し、店舗や施設などの本棚づくり、本イベントの企画などに取り組んできました。本好きなら、「ブックディレクター」としての幅さんを知っていると思います。

例えば、当店の参加しています西荻窪盛林堂書房の「古本ナイアガラ」も、本好きが集まって、各自の棚づくりをし、幅さんが言うように「新たな発想へのポジティブなつまずき」を意図して企画されました。

こうした本との出会いの場を、もっともっと増やし、本のよさを知ってもらいたい。本を啓く活動にどんどん関わり、本の面白さを知ってもらいたい。これは本好きの思いであるとともに、やれる人がやるべきことです。

戸田 ツトム
『電子思考へ…―デジタルデザイン、迷想の机上 』(日本経済新聞社

書物は読者との間に様々な世界を現出させる。単純なシステムによって読者という個体の特性を導入し、また読者が自己を書物のなかに派遣しながら、印刷された文字という環境を共有しながら、そこにあらゆる世界を描き出すことができる、という優れたメディア特性を依然として保持している。p138

(前略)ウンベルト・エーコの描く「読書空間」はまさに書物と読者の双方で同時発生する重層的な編集の進行(すなわちマルチメディア的編集世界)そのものが「作品」であると定義している、と言える。p139


電子思考へ…―デジタルデザイン、迷想の机上