第三の新人、安岡章太郎さんのこと
多くのコラムが安岡章太郎さんの死去について書いていました。その記事は安岡さんの履歴と作品についての紹介でした。作家といっても、いまどれほどの人が作家としての安岡さんを知っているのでしょう。
その安岡さんを取り上げたコラムのなかで、ひときは簡潔明瞭、まさに!のコラムがありました。それは中日新聞の1/30付「夕歩道」で、文章が通常コラムの半分なので、全文引用させてもらいました。一読下さい。
業界内用語が流行語になり、やがて定着することはままある。百科事典などにも立派にのっている「第三の新人」は好例。戦後派新人作家の系列で名付け親は文芸誌「文学界」の編集部だという。
その第一の新人は野間宏、椎名麟三、中村真一郎ら。少し遅れて来た安部公房、堀田善衛らが第二の新人。第三は吉行淳之介、小島信夫、小沼丹、庄野潤三、遠藤周作、そして安岡章太郎さんら。
第三の新人の特長とはその独特の軽みだろう。「テレたような、だまってオナラをした人がするような笑い」なんて書いていた安岡さん、逝く。人の悲しみを包むユーモア。それが今は足りない。
足りないのは人の悲しみを包むユーモア! 納得のひと言です。