永井龍男『落葉の上を』読了

久々に永井龍男『落葉の上を』(朝日新聞社)を読みました。淡々と一日の出来事を書き綴っているエッセイ集です。渋い、でも温かな文章はしみじみとあれこれ考えさせてくれます。

本には多くの付箋が付いています。その中から次の一文。

「人間一人一人に「座」というものが定まっていて、当人がそこに落ち着いていさえすれば、案外間違いはない。「座」の位置は終始変化するが、その時もなるべく自然にしたがって移動すれば、他人を騒がすような事は起こさずにすむ」。p103

自分の「座」を知り、「自然にしたがって移動」すれば、他人に迷惑をかけず、自らの道を歩くことができます。(そう簡単ではないのですが) 。

これを読み終え、永井さんの別のエッセイ集を読みたくなりました。明日から今年最後の3連休です。

落葉の上を

「心の向きをかえて小閑をたのしむ」。