松原隆一郎・評 三宅秀道『新しい市場のつくりかた』

やはり、書評は気になるものです。今日は毎日新聞の書評から、松原隆一郎が取り上げている三宅秀道『新しい市場のつくりかた』(東洋経済新報社)を取り上げました。

新しい市場のつくりかた



この本は「新たなしあわせへ「問題開発」の経営書」だといいます。問題開発を行い、プロダクト・ライフ・サイクルに応じた適切な対応がなく、いつの間にか大企業病が蔓延しているのが現状です。「技術神話」から、成功体験からはダイナミックな「問題開発」さえ生まれません。(だから、ある経営者は成功体験を捨てろ!というのです。)

著者はこの「問題開発」を、より広く「ライフスタイルの構想」「文化開発」と呼び、

エジソンが生きた時代、すでに技術としてはウォシュレットは製造可能だった。ではなぜ「エジソンにウォシュレットが作れなかったか」といえば、「おしりだって洗ってほしい」というライフスタイルないし文化が開発されていなかったからだ。

といいます。

エジソンとウォシュレットの、この指摘がいい! 技術開発だけではなく、文化開発の必要。それらが相まって開発をした問題を一気に解決し、ウォシュレットという画期的な商品を生み出すわけです。

阪急電鉄小林一三さんを挙げるまでもなく、そうした、新たなウォシュレットを生み出す日本のエジソンたちの可能性を追っているのがこの本です。こう書きながら、内心、わくわくし始めています。これが大事なのでしょう。明日書店に行き、見て、買うか借りるかを決めます。

( いま別件で、ウォシュレットという商品を調べていますが、この商品ほど画期的という以上に革新的な商品はありません。まさに創造的破壊に相応しい。この商品のなかに、これからの新しい商品のヒントがあるように思います。)