デザインの果たす役割

引き続き川島蓉子さんの『ブランドのデザイン』(文春文庫)から。原研哉さんの「デザインの果たす役割」について。

「”覚醒”という言葉を最近は大切にしている。びっくりするような造形で人目を引くのではなくて、一見すると何でもないようなものだけど、それに触れることで日常が生き生きしてくるようなもの」。つまり「なるほど!」とそこに込められたアイディアや価値に気づいた瞬間、それを起点として次から次へと”覚醒”が連なって人の生活に影響を及ぼしていく。その起点となるものが、デザインの果たす役割のひとつなのだ」。p257

日常がいきいきしてくるもの。これって大事です。あまりに単純な日常。その繰り返しからマンネリが生まれます。日常の惰性の脱却を図るために、その日常を刺激して、人に精気を与える。それが「覚醒」。