井上ひさしさん推薦 日本語の辞典

井上ひさしさんの『本の枕草紙』(文藝春秋)には、本についての面白い話、ためになる話が満載されています。例えば、明治から現在に至るまでの日本語の代表格といえば、次の4つの辞典だといいます。

辞書といえば、『広辞苑』と言われていた世代なので、まず大学時代に購入したのはこの辞典でした。

井上さんは実用『広辞苑』を『岩波国語辞典第三版』に変えたそうですが、私も『岩波国語辞典第二版』から、今は『新明解国語辞典第五版』を使用しています。

この『新明解国語辞典第五版』は並版ではなく特装版なので、辞典を開くときの柔らかさが違います。こうした手の感触も大事。この辞書、引きやすく、読みやすく、そしてしなやかです。

実は今夏の古本市でこの辞典を拾いました。手に馴染んだので、即購入しました。自分に合っているせいか、辞典を引く回数が増えています。気に入るって、大事です。いい服は何度でも着るように、いい辞書は何度でも引きます。

現在、『岩波国語辞典』も『新明解国語辞典』(特装版) も、ともに第七版です。

岩波 国語辞典 第7版 新版        新明解国語辞典 第七版 特装版


*1:井上さんはこの松井簡治さんに頁を割いています。この松井さんの一生は辞書とともにありました。20万語を収納したこの辞典のために20年間働きました。そしてさらに、完成したあとは、その修訂増補版に関わり、77歳でそれを完成。なんとこの6分冊の辞典に45年の歳月を費やしました。この松井さんもすごい人なのです。詳しくはp-129~130を。