文脈棚とは・・・

昨日、ブログ記事「千駄木往来堂書店の「D坂文庫 2012・夏」を書きました。その際、同書店のウェブサイトを見ていると、「文脈棚」について見解が記されていました。

その説明がわかりやすかったので、ここに引用します。

文脈棚
「本はその両隣にある本とのつながりのなかでお客さまに届くものである」という考えのもと、「隣に(あるいは一緒に)何を置くか」という点に最大の注意を払って作った棚のことです。 本はただ一冊でそこにある時より、何らかの意味のある繋がり(=文脈)のあるまとまりとしてお客様の目の前に現れたときのほうが、なぜか魅力的に見えると往来堂は考えています。

このつながり=意味の結び方がコーディネーターの手腕ということになるのでしょう。これは意味と解き、結ぶことを実際やっていくなかで培われるので、一朝一夕でできるわけではありません。

文脈棚には、①隣の本との異化により考えるヒントを提示する、②意味の繋がりから意味の付加価値を生むのですが、その棚づくりには広い深い知識が必要です。

また文脈棚は見せる棚ではなく、考える棚で、その手がかりとなるキーワード・セッティングが重要であるということです。

しかし、お客様に、そのキーワードがわからない場合はどうするのでしょう。確かに棚に新鮮さを感じるとは思うのですが・・・この疑問が残ります。


棚の思想―メディア革命時代の出版文化      本棚の歴史      「今泉棚」とリブロの時代―出版人に聞く〈1〉 (出版人に聞く 1)
 
 
書店風雲録 (ちくま文庫)       セゾン文化は何を夢みた       リブロが本屋であったころ (出版人に聞く 4)
 
本の並びは意味の並び。左右の本を見ることから、読書は始まる。
(編集工学研究所)