沢木耕太郎『246』を見つけた

沢木耕太郎さんの『246』(スイッチ・パブリッシング)という本を知っていますか。沢木さんが1986年の雑誌「SWITCH」に掲載していた日記をまとめたものです。

はじめ雑誌と並んでいたので気づきませんでしたが、B5サイズなので雑誌?と思って手に取ると、『246』でした。全体がきれいで、イラスト、カバー、さらには付録までついていました。

それが隠れるようにして、見つかるのを待っていた? 古本の棚を見ていると、こうした意外な発見もある! 勝手な思い込み? だから、古本屋めぐりは止められないのです。

他の人から見て、可笑しなことでも、本人はいたってまじめなのです。好きなことって、最終的には純粋な個人の満足のため、人の迷惑顧みず、というところがあります。それもまた致し方なし。

ところで。

沢木耕太郎さん・・・かつて新進気鋭のノンフィクションライター、『深夜特急』の著者・・・を、どれだけの人が知っているのでしょう。沢木さんの生年は1947年ですから、もう65歳ですか。

連載中には思ってもいなかったことだが、この『246』二はそれ以後の私が歩むことになる道筋がくっきり描かれることになった。『深夜特急』の第三便を書くこと、『キャパその青春』『キャパその死』『ロバート・キャパ写真集』として結実する本を訳すこと、『血の味』を完成させること。私のそれ以後は、これらを中心に回っていくことになる。そして、また、この『246』に書き残された文章は、さまざまに形を変え、それ以後の作品に生かされることになった。
「消えたもの、消えなかったもの−少し長いあとがき」p269

それがこの『246』でした。いま、上記を打ち込み、ぱらぱらと日記を読み始めています。台風北上。やはり、何と言っても、「雨の日はソファで散歩」です。

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