菅原一剛『写真がもっと好きになる。(写真を観る編)』

土門拳は、雑誌のインタビューでこう話しています。

「写真には自分の見えないものも、
自分の感じないもの、自分の考えないものは、
写らないということです。
自分のよく知っているものが、
知っているようにしか写らないんですね」

この言葉は、とてもわかりやすく、
ものすごく単純ではありますが、実に写真というものの本質を
語っているように思えます。
だからこそ、時にはものをじっくりと
時間をかけて見る、
時間をかけて考える、
時間をかけて感じる、
といったことが、写真を撮り続けていく上で、
とても大事なことなのだと思います。p109