谷川俊太郎 「詩の将来」について

岩波書店『図書』3月号
「詩の将来」谷川俊太郎より

 詩情を言語によって析出しようとするのが詩作品*1ですが、いまは薄められた詩情が風俗化しているような時代です。詩作品そのものよりも、詩人という存在がタレント化しかねない。デジタル化された情報言語過剰な時代に、究極のアナログ言語である詩作品の生き残りは難しくなってきています。

とすると、詩情そして詩作品の生き延びる道どこにあるのでしょう。また、詩情はこれからどういう形式で表現されるのでしょうか。

*1:日本語の<詩>という語には、言葉になった<詩作品>と言葉にならない<詩情>の二つの意味が混在しています。詩の将来を考えるには、ひとますその二つ分ける必要があると思います。