坪内祐三著『父系図 近代日本の異色の父子像』

ブログめぐりをし、「海文堂書店日記」の「2012-03-14 父系図」を見て、早速その紹介文を読みました。この本、坪内祐三著『父(おとこ)系図 近代日本の異色の父子像』(廣済堂出版 2000円+税) 。紹介は言わずと知れた平野さん。どこよりも早い紹介だと思います。

すでに廣済堂出版のHP「廣済堂よみものWeb」に連載されていたもので、更新される都度読んでいました。連載が終了すると同時に、単行本化へ。また福田和也さんの連載「村上春樹 2011」(3月に単行本化)が終了しました。廣済堂出版のHPには気になる連載が無くなってしまいました。

登場する父子は、淡島椿岳・寒月、内田魯庵・巖、杉山茂丸夢野久作、大田黒重五郎・元雄、齋藤秀三郎・秀雄、九鬼隆一・周造、辰野金吾・隆、伊庭想太郎・孝、結城無二三・禮一郎、岸田吟香・劉生、岡本真恷・癖三酔、信木三郎・晴雄 。

父子関係を中心に、その時代の人間関係を辿ることで、さらに父子関係を際立たせています。また、坪内さんはいつものように読み手の気持ちを触発しながら、さらに奥の迷路へと誘い込み、もっと読みたい気持ちにさせます。そうしたやり方は手馴れたもので、つい引き込まれ読んでしまいます。

父系図〜近代日本の異色の父子像〜          探訪記者松崎天民