「男の隠れ家」特集「本のある空間、本と過ごす時間」

「男の隠れ家」4月号 特集「本のある空間、本と過ごす時間」を買い、一気に読んでしまいました。今回は4つのパートに分かれており、書き手も能勢仁さん、樽見博さん、岡崎武志さん、小田光雄さん他の皆さんです。

Part1 発見がある 価値ある新刊書店
Part2 古本夢空間
Part3 図書館はワンダーランド
Part4 本と酒と珈琲のある空間 ブックカフェ&ライブラリーバー

まずは新刊書店、東京・千駄木往来座書店」から始まります。大型書店 ジュンク堂書店池袋本店を紹介、最後の「リヤカーブックス 」( この売り方、確かに面白い!が。)で終わります。

また「世界の書店」見聞録も掲載。日本のみならずアジア・欧米の有名書店を紹介してます。能勢さんの私的「世界の書店ベスト3」は次の通り。( 行ってみたい!が、行けるかどうか。)

1. ギリシャアテネ エレフセロダキス書店
2. 台湾・台北 誠品堂書店・新義店
3. チェコプラハ ガンゼルスベルガー

Part2では、岡崎さんが東京・早稲田と大阪・天神橋の古本屋街めぐり。特に大阪は行っていないので、今年は大阪古本屋めぐりをしてみたいと思っています。そして、古本業界の舞台裏「古書交換会」を紹介してます。これが意外と面白かった!( この「古書交換会」を定期的に一般公開してもらえないだろうか。)

Part3の図書館では個性的な図書館と複合施設としての図書館を紹介しています。( 図書館も大図書館と小図書館=専門図書館に2極化されると思います。特に、専門図書館の差別化には十分な配慮を。)

Part4では東京・高円寺のコクテイル書房はじめとする古本酒場、ブックカフェ等が掲載されています。古本屋もいままでの本という単一的発想ではなく、いまあるものすべてをremixする複合的発想の時代に入っています。

3/3の朝日新聞の朝刊「フロントランナー」 MITメディアラボ所長 伊藤穣一さんを取り上げています。伊藤さんは今の時代を次のように言います。

変化の激しい業界では5年計画とかではなく、1週間とか2週間ごと業務を見直して変化に対応する必要が出てくる。ソフトウェアの世界ではアジャイル(機敏)開発と呼んでいます。アジャイルな考え方は、外交や経済政策など、あらゆる分野で必要な世の中になってきていると思います。

時代は常に過渡期なのですが、このアジャイルな考え方も必要です。書店も古本屋も厳しい時代。どのお店も現状に留まっているわけにいきません。短期的、即効的、複合的な発想と考え方、そして実行! この試行錯誤のなかからしか、新しい何かは生まれません。

最後に、樽見博さんの「古本と古本屋を愉しむための要件」を掲げておきます。

1. テーマを決めて収集すること。
2. 人の真似ではなく自分なりの価値基準を持つこと。
3. 足と時間をかけてなるべく多くの古書店古書即売会に通うこと。
4. 古書店との付き合いは「君子の交わり」と同様、「淡として水の如し」あること。
5. 同好の友を持つ。
6. 蔵書が膨大になり過ぎないように気をつけること。

特に6.の蔵書については、不要なものがある程度たまったら、処分することをすすめています。「個人で管理できるのは3000冊から5000冊程度か」とも言っています。これもひとつの目安。1〜6の要件、先人の知恵として参考したいと思います。

男の隠れ家 2012年 04月号 [雑誌]