幅允孝さんの雑文集『幅書店の88冊』
「スゴ本」のDainさんは幅允孝さん( BACH )の次の言葉を紹介しています。
なくとも僕にとっては、本を読むこと自体が目的ではない。その読書が、どう自らの日々に作用し、いかに面白可笑しく毎日を過ごせるかの方が重要だと思っている。言い換えると、本よりも人間や毎日の生活の方が好きなのだ。
だけれども、目を背けたくなるようなタフな現実からなんとか自分が持ち堪えるための耐性を、その引き出しの中にある小さな経験は授けてくれる気がする。だから僕は、本を読むと「救われはしないけれど、耐えられるかもしれない」とは言える。
最後に「それでもわたしには好ましい、「起きるに値する朝」を毎日くり返して生きていくための88冊が集められているのだから。」と、幅允孝さんの『幅書店の88冊』(マガジンハウス)を薦めています。
岡崎さんも幅さんの本について、7/31の「okatakeの日記」でこう書いています。
出過ぎ、重用され過ぎの嫉妬もあって(いや、ほとんどそれかな)、ブックディレクター幅允孝さんの悪口を言ってきましたが、ごめんなさい。『幅書店の88冊』(マガジンハウス)は、いやいや、いい本です。選書の目のつけどころがいいし、紹介文もちゃんと本への愛情が感じられる。人気が出るだけのことはある、と思いました。
嫉妬は別にしても、岡崎さんがこう高く評価をしています。私は本への愛よりも、「選書の目のつけどころ」が気になります。
玉石混交、種種雑多の本の中から、独自のコンテクスト(文脈)によって選書する。そのコンテクストが何かを知りたいと思います。それは佐々木俊尚さんのいう「キュレーション」にも通じます。
キュレーションは情報を収集し、選別し、意味づけを与えて、それをみんなと共有すること。
ここで重要なことは「選別」⇔「意味づけ」です。この過程の中で、コンテクストが生成され、それによって選別されることになります。幅さんのコンテクスト=眼のつけどころは何なのでしょう。
幅さんの本をチェックすると、次の本を検索することができました。
- 江口宏志、北尾トロ、中山亜弓、 永江朗『本屋さんの仕事』 (単行本 2005/11)
- 西舘朋央(著)、幅允孝(編)『BOOX』 (単行本(ソフトカバー) 2007/8/29)
- 千里リハビリテーション病院 幅允孝『つかう本』 (単行本 2009/12)*1
- 幅允孝『幅書店の88冊 あとは血となれ、肉となれ。』(単行本 2011/6/23)*2
この最新刊はブックディレクター幅允孝さんの初めての雑文集です。ちょっと気になる一冊です。幅さんのこの本についてのメッセージはここをクリックして下さい。