管啓次郎『本は読めないものだから心配するな』新装版(左右社)より

潮を打つように本を読みたいと、ぼくはいつも思ってきた。世界にむきあい世界に覚醒するための読書、遠くを見て遠い声を聞き遠くを知るための読書をしたい。文庫クセジュとUブックスの、ほっそりした物しずかな本たちは、何処をめざすどんな旅にだってつきあってくれるだろう。 p100