ジュンク堂書店 vs 紀伊國屋書店 in 新宿 

少し大げさなタイトルですが、実際のところはそうだろうと思います。新宿東口でよく行く書店はジュンク堂書店( J )と紀伊國屋書店 ( K )です。最近は J に押されぎみの K といった形勢でしょうか。

私の立ち寄り度を考えると、J → K という順番か。各自好みがあるので、どの順でも構いませんが、小売においてはまず一番店が大事だということは言うまでもありません。

かつては K がまず第一番店でしたが、J が新宿東口に進出してから、順位が逆転しました。何と言っても、あの広さと在庫でしょうか。それと、椅子の設置も付け加えておきます。この点は K と比べると、J のほうが優位です。

しかし、K は地場としての先行優位はあるのですが、 J と同じ KFS であれば、J に対抗できません。そこで K の対抗策として、J の量に対抗するのではなく、質で対抗するという作戦です。

それが「書評空間」であったり、PR誌の「scripta」であったり、今日HPで知った「ピクウィック・クラブのブログ」であったりという形で展開されています。また、いろいろなブックフェアなどのイベント企画も充実しています。

さらに K の出版物を見れば、その質の内実を分ってもらえるのではないか、そう思います。K の最新刊の本、上野千鶴子『女ぎらい ニッポンのミソジニ―』の紹介から書評までを見てください。

女ぎらい――ニッポンのミソジニー        



これが新宿東口での J と K の2大書店の戦いです。量の J と 質の K 。さて、どちらが勝つか負けるか、という勝ち負けの問題ではありません。これからは双方の利点を活かし、対抗するのではなく、共存する道を模索すべきでしょう。

<ここ10年間で6000店前後の書店が減少しています。この推移で行くと、向こう10年間で1万店を切るだろうと予想されています。>( 日本図書販促センター「出版業界の豆知識」より )

書店業界が内の戦いをしている状況ではありません。外のメディアとの対抗戦のほうが一層厳しさを増しています。電子書籍元年といわれる中で、書店は本、雑誌を売るだけでは立ち行かない時代になってきました。

そうした中で、書店はどうなるのかではなく、どうするのか。また私たちの読書環境はどう変わっていくのかではなく、どう変えていくのか。そう考え動くことが必要です。もう待ったなしの状態なのですから。

日経MJ(流通新聞)と商業界が2010年に発表した年商100億円以上の書店売上ランキング、第一位は紀伊國屋書店、第5位がジュンク堂書店、因みにブックオフは第6位。( 日本図書販促センター「出版業界の豆知識」より )

順位
会社名
売上高
(百万円)
伸び率
経常利益
(百万円)
店舗数
1
紀伊国屋書店
114,509
▲4.4
634
63
2
丸善
88,975
▲7.2
▲538
44
3
ワンダーコーポ
63,263
▲3.0
1,298
119
4
有隣堂
53,754
▲1.7
363
43
5
ジュンク堂書店
44,666
5.9
▲603
38
6
ブックオフコーポ
44,462
12.0
1,054
917