ワールドカップ、日本勝つ!

やはり、ワールドカップの話題でしょう。日本が勝ったから、すべてよし。マスコミもわれわれも、こうなるとは予想もしていなかったので、手のひらを返すように、ガンバレ!ニッポン、ということなります。

なんとも「世論」というのは身勝手なもので、開幕前と今では人々の関心は雲泥の差と言っていいでしょう。日本は現時点でベスト16。パラグアイに勝てば、ベスト8という地点にまで達します。そして目標のベスト4にはあと一歩の地点。

果たして、ここまでの予想をしていた人がどれだけいるでしょう。私も予想だにしていませんでした。開幕前の不振、岡田監督の引責等など、いろいろなことがありました。開幕しても、監督はじめ選手の表情が明るくはありませんでした。

しかし、すべてを変えたのは“勝利”という結果です。カメルーン戦で勝利したことがまず大きな収穫でした。日本の選手のプレーにはまだまだかたさがいうより不安が残っていました。それを本田のゴールが一掃してくれました。

次のオランダ戦で、格上の相手に対して最小失点で敗れました。ドローまたは勝ちたかったのは山々でしょうが、相手のランクやメンバーを考えると、これも予想外の善戦と言えるでしょう。でもあのシュートは凄かった。

そして、デンマーク戦ということになります。なんと朝の3時30分過ぎにキックオフ。ムリに起きて、この試合を見て、本当によかったと思いました。開始の時点で、ああいう戦いが繰り広げられるとは誰も考えていなかったのではないでしょうか。

引き分けでも決勝トーナメントに進むことができるという思いがあり、とにかく負けないこと。そうした思いが多くのサッカーファンの本音だったと思います。とにかくベスト16へという思いが勝っていた気がします。

しかし、そうした予想も裏切られる結果になりました。結果はなんと3-1で、日本がデンマークを破りました。日本の弱点の一つは決定力の無さでしたが、デンマークから3点を取ったことも大きな成果でした。

得点が無ければ、勝利もありません。振り返れば、いままでにない、本田のワントップをいうフォーメーションが奏功したと言えるのではないでしょうか。本田が絡んでの得点が“勝利”につながったと言えます。

そうした意味から本田という新しいスターが生まれ、長谷部もキャプテンらしくなり、ディフェンス陣が頑張り、川島の強気の守りがあり、全員一致団結をし“勝利”を手にしてきました。

イタリアはじめ有力な国々が敗退する中で、何が起きるかわからないというスポーツの楽しさを身をもって示してくれたのが、今回のワールドカップの日本ではないでしょうか。だからスポーツは面白い!のです。

どこまで行くかわかりません。ベストを尽くして、ベスト4めざし頑張ってもらいたい! いい試合というより勝つ試合をすることによって、サッカーへの関心が高まり、日本のサッカーにも明るい未来が訪れます。

勝負は勝つこと! 言うまでもありません。謙虚にとは思いますが、もっと欲を出してもいいような気がします。勇猛果敢に勝ちに行くこと!

Number PLUS 2010 June―Sports Graphic