倉本聰さんの「風のガーデン」

あの「北の国から」の脚本家倉本聰さんのドラマ「風のガーデン」が10月9日よりフジテレビで毎週木曜日夜10:00から放送されます。<人の一生を花の一生になぞらえ、生涯のテーマの家族愛を描く>という内容です。

その倉本さんが朝日新聞(8/30朝刊)のインタビューに応えて、次のように言っています。

<僕らはテレビ創成期からの人間は智恵を使った。今は知識だけで、程度の低いギャハハ番組ばかり。公共の電波で悪影響を及ぼすのは犯罪。広く浅く、面積だけで稼ぐ視聴率でなく、質と深さを測る方法論を考えよといい続けたが、変わらない>

テレビを変えようとした人の言葉としては重い。最後の「変わらない」という断定には怒りと諦めが含まれるように思います。そしてテレビというメディアはいまだ「質と深さを測る方法論」を見つけ出していません。

ではこの状況をどう変えていくのか。倉本さんの言葉に応えられる人がどれだけいるのか。応えられないから無視するのか。難問であればこそ、この言葉を引き継ぐ人がいてもいいように思います。

おそらく、それは「富良野塾」のみなさんが継承していってくれるのでしょうが、その「富良野塾」も再来年閉じると言います。また、<連続ドラマの執筆はこれが最後かもしれない>とも言います。

何かある意味「引退宣言」のようでもあり、寂しい限りです。倉本さんのテレビへの貢献は言うまでもありません。これからも引き続きドラマを書き続けてほしいと思います。