本の海で漂う

この連休は一箱や外市などに行き、「本の海で漂う」という日々でした。本だけでなく、映画も芝居も見ました。のんびり、ゆったりとした日々が今日で終了です。連休がずっととはいささか早すぎるので、このくらいがいいところなのかもしれません。

本の海を漂いながら、今手元にある本は岩本素白東海道品川宿』(ウェッジ文庫)。

東海道品川宿―岩本素白随筆集 (ウェッジ文庫 い 5-1)      素白随筆集―山居俗情・素白集 (平凡社ライブラリー い 31-1)  


岩本素白の随筆を読み始めています。なにやらシブイ。この文庫は「近代随筆の最高峰と謳われた素白随筆を精選」したといいます。平凡社ライブラリーでも、4月の新刊で岩本素白の本『素白随筆集−山居俗情・素白集』が出ました。

岩本素白は類稀なる随筆家。繊細かつ鋭敏な感覚をもって文学に没入した。古き東京を慕い、独り街を歩くことを愛した。滋味溢れ人生の深さを感じさせる珠玉の作品は、随筆文学の最高傑作。解説=鶴ヶ谷真一

ともに「近代随筆の最高峰」であったり、「随筆文学の最高傑作」であったり、「最高」の随筆との評価です。実際はどうなのか。これはやはり読んでみなければわかりません。

平凡社ライブラリー本の解説を書いているのが、鶴ヶ谷真一さんです。4月の新刊『月光に書を読む』(平凡社)もこの人を取り上げています。次はこの本を。そう決めています。

もう一冊棚から取り出したのが鶴ヶ谷さんの本『書を読んで羊を失う』(白水社)です。前に買ったまま、まだ読んでいませんでした。これを機会にこの本も読んでみようと思います。

書を読んで羊を失う     月光に書を読む


こうした本の海のなかで、一冊の本は見えないつながりを見えるようにし、次のつながりへ橋渡しをします。そうすることで、人と人との新しい出会いを創り出します。(これは人の営みすべてにいえることです)

日々意味のある偶然に出会うことがあるのです。だから本を読み、映画を見、音楽を聴き、人に会い、語り続けるのかもしれません。本の海であれ、人の海であれ、「漂えど沈まず」とは開高健さんが語ったことばです。

※このタイトルは山本善行さんのブログ「古本ソムリエの日記」5/3のタイトルを借用しました。