創刊80周年の「岩波文庫」

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岩波文庫」が創刊80周年を迎えた。昨年末からは、創刊時のラインナップ23冊を復刻したセット「岩波文庫創刊書目」が発売されている。

岩波文庫も創刊80周年ですか。そういえば新年の新聞にもその広告が掲載されていました。

文庫といえば岩波、これがかつては定番でした。私の学生時代には今ほど文庫が出版されていなかったので、文庫といえば、岩波、新潮、角川、中公などが主なものでした。

その中で一番手にしたのが岩波文庫でした。あの文庫のデザイン、活字の大きさ、★印の価格表示等をすぐ思い出すことができます。まだまだ文庫といえば岩波。それほどの文庫であった気がします。

最近の文庫事情はといいますと、河出文庫が充実、光文社文庫は古典の新訳の発行、中公文庫も復刊を急ぎ、ちくま文庫は相変わらず手堅く出版しています。そうした状況の中で、岩波も伝統の古典にこだわり、頑張っています。

例えば、ちくま文庫は現代の「古典」を文庫化し、また光文社文庫は今までの古典の訳を新訳にすることを始めています。

では岩波文庫はどうするのか。やはり岩波は岩波らしく、いまの路線を堅持し、古典にこだわり続けるほうがいいのかもしれません。あまり状況に合わせすぎることなく。そういう文庫があっていいと思います。

そうしたきちんとしたこだわりがあるほうが、混戦の時代には生き残れるのではないでしょうか。おそらく遠からず自然淘汰が始まりますので。

[追加]
そうした伝統のある岩波文庫を発行する岩波書店ですが、最近の双書「時代のカルテ」の本の装幀はどうもよくないのです。書店で手にとって見ると、表紙に反りが?いくら室内が乾燥しているとはいえ、これが岩波書店の仕事とは思えませんでした。