2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

この本の前では厳粛に

週末に読んだ本に、多田富雄さんの『落葉隻語 ことばのかたみ』(青土社)があります。どういったらいいのでしょう。読み終えて、何も言えず、この本の前でしばらく沈黙をしていました。ご承知の通り、多田富雄さんは著名な免疫学者で、昨年4月になくなりまし…

クラフト・エヴィング商會『おかしな本棚』#4

このクラフト・エヴィング商會『おかしな本棚』は不思議な本です。この本について、4回も取り上げるとは思ってもみませんでした。しかし、いつも本棚の写真を見て、その棚についての文章を読むと、切りがなくいろいろな思いが浮かびます。この本は、予想以上…

クラフト・エヴィング商會『おかしな本棚』#5

神戸は本を買いたくなる街だ。うちの本棚の至るところに神戸で買った本がある。『既視の街』はいまはもうない高架下の古本屋で、『迷子論』は三宮地下の新刊書店で買った。買った本の背中が入口となり、本棚から「あのころの神戸」までいつでも歩いてゆける。…

クラフト・エヴィング商會『おかしな本棚』#3

「CLOUDSNOTE クラウドコレクターのためのノウト」から *某月某日いいかね、すべて回転するものには中心がある。その一点こそが不動なるもの。つまりは魂のありかだ。いいかね、その一点のみは回転していないのだ! p135 古本 四谷書房 【2011年東京古本市…

理想の本棚の条件

昨日はクラフト・エヴィング商會『おかしな本棚』を再び取り上げました。今日は理想の本棚とは何かについて記しておきます。これは日垣隆さんの『知的ストレッチ入門』(新潮文庫)に書かれていたものです。 1、労せず収納した姿が美しいこと。 2、本が取り出…

クラフト・エヴィング商會『おかしな本棚』#2

クラフト・エヴィング商會の『おかしな本棚』に「ただひとつだけの本棚」というページがあります。ここには岩波新書だけが並んでいます。背ヤケした新書、グラシンが破れた新書、新刊同様の新書、裸本の新書等々。 とりわけ、ぼくが集めているのは、表題が単…

五反田遊古会へ

今日は午後時間が出来たので、雨の予報のなか、五反田の遊古会に行きました。南部古書会館の1階はいつも通り何人もの人が本を物色していました。最近は西部と南部には出来る限り寄ることにしています。が、どうでしょう、西部は平均な品揃えで、時々いい物…

クラフト・エヴィング商會『おかしな本棚』#1

クラフト・エヴィング商會の『おかしな本棚』の中に、「金曜日の夜の本棚」というエッセイがあります。その冒頭、こう書いてあります。 いえ、森の奥など参りません。都会が何よりです。映画館で昔の映画を見たあと、中古レコード屋で安いシングル盤を何枚か…

中央公論新社 5月の新刊

今朝の新聞に中央公論新社の5月の新刊広告が掲載されていました。それを見て、見落としていた本がありました。その本は次の通りです。 堀江敏幸 『象が踏んでも 回送電車4』 単行本 1860円 鹿島茂 『パリの異邦人』 中公文庫 700円 堀江さんの『回送電車』…

川本三郎『マイ・バック・ページ』

川本三郎さん原作の映画「マイ・バック・ページ」が今週28日から公開されます。その原作を読んでみようと思い、探したのですが、行方不明。自ら捜索をして、本棚の奥*1で発見!よくぞ、こんなところに、と感心しました。あったからよかったものの、これがな…

ブログめぐりから

今日も雨。昨日から雨が降り続いています。やはり雨の日はいやです。気分が滅入ります。早く上がってほしいと思います。予報通り! 午後3時か4時ぐらいになると、雨が上がりました。ということで、今日は「ブ」の話から。(1)空犬通信 5/24「吉祥寺の書店…

古本市の大敵は雨

天気予報によると、今週は天気がよくない。晴れは水曜日と木曜日。あとは曇りまたは雨の予想。梅雨入りしたかのような空模様です。今日から5/28(土)まで、早稲田大学で「青空古本掘り出し市」が、新橋SL広場で「新橋古本市」が開催されます。が、初日から小…

東京古本市予定表の更新

「東京古本市予定表」に、「新宿西口古本まつり」を追加して、更新しました。ご覧下さい。 期 間 古本市名 場 所 6/18(土)〜6/24(金) 新宿西口古本まつり 新宿西口地下イベント広場 古本 四谷書房 【2011年東京古本市予定表】

鶴ヶ谷真一さんの新刊『紙背に微光あり』

鶴ヶ谷真一さんの新刊『紙背に微光あり』平凡社が5月に発行されました。これも、ノーマークでした。鶴ヶ谷さんは多作の書き手ではありませんが、質実というか、誠実というか、堅固というか、そんな言葉が相応しい作家のひとりです。この新刊の内容は次の通り…

6月の新刊から

毎月その月の新刊を取り上げていますが、情報源はさまざまなので、当然洩れが生じます。それから各新聞等の書評も参考にし、読書ブログ・書物ブログの情報も参考にしています。それでも、洩れるのは致し方なしなのですが、漏れのないように、常に最新情報の…

坪内祐三さんの新刊『書中日記』

書店に行き、新刊を見ていると、まったく知らない本を見つけ、驚くことがあります。これだけ、ネットで本の情報をチェックしているにもかかわらず、坪内さんの最新刊『書中日記』(本の雑誌社) を見落としていました。坪内さんが書いている「週刊文春」の書評…

図書館に立ち寄って

今日は金曜日なので、土日の読書のために、図書館に立ち寄りました。図書館までは最寄駅からは少し歩くのですが、それほど苦になる距離ではありません。最近の図書館もいろいろな試みをするようになりました。開館時間も午前9時から午後9時45分(日曜日は午…

東京古本市予定表の更新

今日「東京古本市予定表」を更新しました。更新した点は古書会館での7月の予定を追加しました。また6月「古書感謝祭」を追加しました。古本市の予定がありましたら、古本 四谷書房(info@yotsuya-shobo.com)宛、e-mailで連絡下さい。 期 間 古書展名 場 所 …

神保町の古本屋さんへ

水曜日は、自ら「古本の日」として、古本屋めぐりをしてます。それが昨日できませんでした。今週はまだどこの古本屋さんに行っていません。そろそろ禁断症状が出る予感がします。そこで、今日帰りに無理矢理、神保町で下車。急ぎ足で古本屋街を流しました。…

飯島耕一さんの鮎川信夫論のなかから

飯島耕一『詩の両岸をそぞろ歩きする 江戸と、フランスから』*1 (清流出版)の「無の光芒放つ後期の詩 ― 鮎川信夫論」から何気なく拾いました。 コーネリアスというのはアメリカの詩人デルモア・シュワルツの短編に出てくる人物のようである。シュワルツはア…

荻原魚雷さんの「文壇高円寺」

荻原なのか、萩原なのか。当初よく間違えました。前に外市でお会いしたのですが、どちらの苗字を呼んだのかさえ覚えていません。あの時は本当にひとりのファンとして会いました。そこで何をどう話したのか、ただ挨拶程度の話だったのか、今振り返っても定か…

加藤秀俊『常識人の作法』を読んで

学生時代に友人から加藤秀俊の社会学は平明で明解な社会学だと言われて、一時期集中して読んだことがあります。あれから、どのくらい経ったでしょうか。久々に図書館で借りた加藤さんの『常識人の作法』(講談社)という本を読みました。 この本は加藤さんが…

「BRUTUS」6/1号の本屋特集

今日朝刊を見ていると、BRUTUS (ブルータス) 2011年 6/1号の広告を見つけました。その特集は「スタイルのある全国の本屋200店」です。これは買い! なのですが、雑誌の特集はハズレる場合もあるので、まずは書店で見てからということに。夕方、書店に立ち寄…

コンピュータが?

今日の午後から、コンピュータが不良。Firefoxもいつものように快適に使用できません。復旧をいろいろと試みたのですが、どうも上手くいかず、Google Chromeから記事を書き込んでいます。今の現状をいいますと、まずFirefoxが今まで通りではなく、文字の一部…

本日の購入本

今日は高円寺の「縁台ふるほん市」初日でした。11時から出店準備をし、12時オープンまでの間に、西部古書会館で開催の「ちいさな古本博覧会」を見に行きました。途中で1冊、会館で1冊、探していた本を見つけ、買ってしまいました。 阿奈井文彦 『アホウド…

高円寺「本の5月祭」初日

今日5/14(土)〜15日(日)にかけて、高円寺あづま通りにて、「本の5月祭」として「縁台ふるほん市」が開催されています。また、西部古書会館にて、「ちいさな古本博覧会」も同時開催されています。当店も「縁台ふるほん市」拡大版に参加しました。いつもの常連…

気になる本2冊追加

今日はいつものブックイベントのように、本を選び、スリップづくりをしました。準備万端。あとは天候だけ。屋外のイベントは天候に左右されるので、晴天、いや曇りでも、雨が降らなければ、それで十分です。天気予報では ・・・ 最近は当たる確率が高くなってい…

明日5/14(土)〜15(日)高円寺「本の五月祭」!

明日5/14(土)〜15(日)の2日間、「本の五月祭」として、高円寺あづま通り他で「縁台ふるほん市」拡大版と西部古書会館で「ちいさな古本市博覧会」が開催されます。「古本 四谷書房」も2日間「縁台ふるほん市」に出店します。出店場所は「菅野歯科 前」で…

「新宿三越アルコット店」の来年3月末閉店

ブログ「空犬通信」を読んで、この「新宿三越アルコット店」の来年3月末閉店のニュースにびっくりしました。同ブログでも引用しているFashionsnap.comの記事にはこう書いてありました。 三越伊勢丹ホールディングスは5月12日、「新宿三越アルコット店」の閉…

一海知義著『漢語の知識』を読んで

この一海知義著『漢語の知識』(岩波ジュニア新書)は誰かのブログで取り上げていた記憶なのですが、それが誰のブログだったのか? 思い出せません。著者と書名は微かに覚えていました。帰り、古本屋さんの店頭でこれを見つけ、なぜか買ってしまいました。こ…